2025.12.15 | #インタビュー
日本カタンの魅力を語る | 「変わるもの」と「変わらないもの」
記事を書いた人
S.K / 総務部
当社は、100年以上の歴史があります。
また、国内において架線金具製造のパイオニアであり、従業員もその誇りと責任感を持って日々業務に取り組んでいます。
当社の組織には、営業、技術、購買、製造、管理と様々な部門がありますが、今回は、長年、技術部 設計課長として当社の様々な製品に携わっている池田氏へのインタビューを交え、当社で引き継がれている「精神」について触れてみたいと思います。
経歴紹介
高校を卒業後、当社へ入社。
入社後、製造部へ1年従事し、その後、設計課へ配属。
途中4年間購買部へ異動となるが、2024年より再び設計課へ異動。
現在まで、通算32年間設計課に従事している。
組織の大きな変革期を経験して
池田氏が入社したのは1980年代後半。当時は現在の社名である日本カタン株式会社ではなく、「株式会社日本可鍛鋳鉄所」でした。
本社の敷地は現在の約2倍あり、次の3事業部で構成されていました。
・自動車部品等を製造・販売する鋳物事業部
・産業機器部品等を製造・販売する機材事業部
・現在の当社の主たる事業になっている送電線用架線金具等を製造・販売する電機事業部
池田氏「入社した頃は、当社の従業員だけでも約300名が本社で働いていたんじゃないかな。3つの事業部それぞれに特徴があって、世間の景気が良い時や悪い時も、 業績としてはバランスが取れていたように思う。架線金具業界も当社を含めて3社あったけれど、時代とともに現在の2社になった。 そんな中、当社も機材事業部門を子会社の日可テクノに移管した。また、社名の由来だった鋳物事業も2005年撤退した。従業員数が約50名にまで減少した時には それなりにショックではあったけど。辞めようとは思わなかった。」
当社の歴史の中でも大きな変革期を経験したが、社会に無くてはならないものを作っているという自負が当時からあったようです。 また、池田氏が担当している設計業務においても時代ともに変革がありました。 高度経済成長期から1990年代にかけては、超高圧送電線の新設が盛んでしたが、2000年代以降は既存送電線の老朽化に伴う改修工事や既存鉄塔の建替えなどに伴う需要が増え、 従来の製品を改良した設計が中心となりました。
日本カタンにおいて変わらないもの
「何十年も前に先輩方が生み出した製品を、現在の需要に合わせてアップデートすることはあるが、基本的なコンセプトは変わらない。」
先人が築いてくれたもののすばらしさを実感するとともに、当時の上司や先輩については、「仕事に厳しかった」と話してくれました。
それは単に"怖い"上司や先輩というのではないそうです。自分たちが生み出して、納める製品に、仮に不具合があり、万が一事故が発生すると、お客様だけではなく、
社会全体に迷惑が掛かるという責任感からくる厳しさであり、妥協を許さない文化が昔からあったそうです。
「当社に限ったものでは無いだろうけど、お客様の求めるスペックを満たすことは勿論、いろいろな事象に耐えられるかを社内で検討し、お客様に提案し、 設計することは、今も昔も変わっていない。お客様から我々に色々質問していただくこともある。」 我々が長年培った技術をお客様に認めていただいているのだと、今では実感できるそうです。
進化する日本カタン
日本カタンの変わらぬ文化や引き継がれる精神がある反面、時代によって変わっていくものもあります。
「当社の製品で、"アクティブホーン"というものがあるが、この製品の開発はとても印象的だった。
送電トラブルの再現試験を行っていた際に偶然発生したものを機に開発がすすめられたが、お客様との協議や試験を繰り返し、
製品化し、高く評価された。また、現在当社の主力製品の一つとなっている"ポリマーがいし"にも言えるが、鉄やアルミ以外の
素材を取り入れた製品の開発は、当社にとって変化というより進化だと感じる。また、当社が保有している試験設備はどちらかというと
自社製品のために使用することが多かったが、最近は電力業界以外からの依頼も増えている。たとえば様々な分野の企業からの受託試験に加え、
ドローンや当社が開発した機器を使用しての劣化診断などにも注力している。今後はこれらが日本カタンの成長の鍵になると思う。」
先輩が築いてくれたものを継承していくことだけでは無く、時代の流れによって進歩する技術を取り入る。お客様のニーズにお応えすることも 忘れてはいけない。そう静かに語る池田氏の言葉には重みがありました。
不易流行の追求
「不易流行」という言葉があります。時代を超えても変わらない"本質"と、時代に合わせて柔軟に新しいものを取り入れる"変化"を指すそうです。 今回、池田氏の話から、当社においても。偉大な先輩から学んだ誇りや責任感をこれからも後輩に継承しつつ、時代の変化に柔軟に対応してくことが 重要なのだと感じました。
