我が国の送電鉄塔の多くは、商用電源の無い山間部に建設されているため、観測装置の電源にバッテリーを用いる必要がありますが、一般的な測定機は消費電力が多く、大量のバッテリーが必要となります。
当社では、消費電力の少ないスマートフォンを用いた観測システムとしてSIMODAS(Simple Monitoring Data Acquisition System)をご提供させていただいております。
こちらのシステムには、小型バッテリーやソーラーバッテリーを用いております。

SIMODASの主要機能
・リアルタイムモニタリング
現地に設置したSIMODASにアクセスし、現地の状況をリアルタイムで確認が可能です。
災害発生個所の状況確認や工事状況の確認などのご使用例がございます。
・定刻撮影
定刻での静止画や動画の撮影が可能です。撮影した写真はご指定のメールアドレスへ送信したり、データが保存されたサーバーからダウンロードすることも可能です。
災害発生個所の状況確認や冠雪・着雪状況の確認の他、資材の盗難対策などのご使用例がございます。
・各種測定機器による観測
風向風速計などの外部機器を接続することで風向・風速・気温・湿度等の一般気象データを収集・記録することが可能です。
また、設定した閾値をトリガーとした写真撮影や通知メールの送信も可能です。
ギャロッピングやジャンパ線の横振れ観測などのご使用例がございます。
こちらのシステムはリースにより提供させていただいており、設置や撤去等の作業についてもご要望に応じて対応させていただいております。
SIMODASの使用例

送電設備を合理的に維持するため、鉄塔周辺の腐食環境の調査を行い、各種データを収集しております。 腐食環境調査では、各種観測機器や試験片を現地に設置し、定期的にデータ及び試験片を回収し解析を行います。 具体的には飛来塩分測定、風速・風向測定、温度・湿度測定、濡れ時間測定、大気腐食センサー(ACMセンサ)による測定、 暴露試験片などの測定結果から腐食原因の特定、腐食の進行状況の分析を行います。

腐食環境調査機材一覧

落雷、強風、氷雪、塩害など、さまざまな自然環境によって生じる送電線の異常について、原因を的確に把握するために、徹底的な調査を行います。 ここで導き出された結果をもとに、環境に対応した製品の開発・研究を行います。
02. Electric field analysis
電界解析
送電線に電圧がかかると、電気的な力場(電界)が発生し、この電界が強いとがいし装置等に部分放電(コロナ放電)が生じる要因となります。 電界は、形状が鋭利なほど強い電界が生じるため、電界解析によって、使用する電圧階級において、金具の形状やサイズが適切かどうかを評価することができます。 電界解析では、解析対象の3Dモデルを作成し、材料の物性や加える電圧を設定することで行います。 特に、ポリマーがいしでは、電界の基準値が提唱されており、不適切な使用ではポリマーがいしの外被材が劣化してしまう可能性が挙げられており、電界解析による評価が重視されております。

03. Stress Analysis
応力解析
架線金具には、非常に大きな機械的荷重が常に加わっているため、機械的強度の評価は非常に重要なものとなっております。 当社では、3Dモデルを用いた応力解析を行うことで、複雑な形状の金具においても、機械的強度の評価が可能であり、架線金具の長期信頼性確保に活用しております。

04. Air flow simulation
気流シミュレーション
風は送電設備に大きな影響を与える要因で、強風による電線張力の増大、 微風振動による設備損傷、ギャロッピングによる電気事故等が生じる可能性があります。 気流シミュレーションでは、地形による風の流れ方等を解析し、鉄塔建設位置の評価や事故対策などに役立てております。
