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2026.1.15 | #社内活動

ちょっとエコな取り組み 後編 | 持続可能なものづくりの現場

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N.H / 製造部

ちょっとエコな取り組み 後編 | 持続可能なものづくりの現場

当社がお客様へ品物を納める際には木箱を利用しています。大切な金具を安全に、そして品質を保ちながら輸送するために、木箱は欠かせません。 手で持てるサイズの木箱から、フォークリフトで運搬するようなサイズの木箱まで、当社ではたくさんの木箱を扱っています。

ちょっとエコな取り組み

後編では、この木箱にまつわる取り組みをご紹介します。もともと「お客様のために」と思って始めた取り組みですが、それだけにとどまらない、様々なメリットがありました。

きっかけはエコではない?

前編でも紹介された木箱。自然の大切な資源を利用して製作されています。
当社の「ポリマーがいし」を納品する際にも大きな木箱を利用しています。環境問題に対して、木箱から何かできることはないか。 そう思って取り組みを始めました、と言いたいところですが、実はきっかけはそこではありませんでした。

本当のきっかけは、お客様から「木箱の処理に手間がかかっている」という話を聞いたことでした。
ポリマーがいしは、お客様(施工先)の作業性を考慮して、1箱に3本を詰めてお送りしています。この箱は、無事お客様のもとへ届けられたあと、 中身のポリマーがいしを取り出したら残念ながら用済みになってしまいます。

おなじみ木箱

当社ではこの木箱をずっと使っており、おなじみ木箱でした。ですが、空になった用済みの木箱を処理するのに、 お客様自身で箱を解体し、費用をかけて産業廃棄物として処理する必要があるとのことでした。

これを聞いて、まずは1箱に詰めるポリマーがいしの数を増やすことにしました。従来の3本1箱から、30本1箱へ。 言葉にすると簡単ですが、実際にやるとなると大変です。

まずはお客様の元へ出向き、実際の現場作業に影響は生じないか、小分けするために別に木箱が必要になることはないかなど 慎重にヒアリングを行いました。

ポリマーがいし3本入り木箱

ポリマーがいし3本入り木箱

それと並行して社内では、新しい入数(30本1箱)でも品質を維持しお客様にお届けできるよう、木箱のサイズや仕様について試行錯誤の日々が続きました。 ひとつひとつ、お客様と一緒に考えて取り組みを進め、賛同が得られたお客様向けに、30本1箱の梱包でお届けをはじめました。2025年2月のことです。

海を越えやってきた強靭な木箱

「30本1箱の梱包」の評判は上々でした。事後にお客様へヒアリングを行っても問題はなく、許可を得ることができました。しかし、この取り組みはこれだけで終わらなかったのです。 そのきっかけは、私たちの前にあった、もう一つの箱。海外からやってきた木箱でした。当社が海外から部品を輸入する際に、その部品は強靭な木箱に梱包されて送られてきます。 この強靭な木箱は、おなじみの木箱に比べて、板厚も1cmほど厚くなっています。3ヶ月もの船旅に耐える木箱ですので、相当な頑丈さです。 当社では、この海外木箱に入って送られてきた品物を検査し、品質に合格したものを「おなじみ木箱」に移し替えてお客様へお届けしていました。

きっかけはお客様の現場

「30本1箱の梱包」の一般的になってきたころ、当社現場で担当者が見たある光景が、さらにこの取り組みを飛躍させることになります。 そこで見たのは横並びになった「おなじみ木箱」10箱と強靭な「海外木箱」1箱。そこに格納されているのは同じ30本のポリマーがいしでした。

ポリマー木箱の比較

ポリマー木箱の比較

しかし、そこには圧倒的な体積の差がありました。もちろん、体積が大きければ処理にかかる手間もコストも大きくなります。そしてお客様だけではなく 当社でも空になった海外木箱の解体が日常的に行われているというのです。であれば、海外木箱をそのまま使用した方がお客様のためになるのでは?
この思いが、海外木箱の再利用に取り組む決定打でした。

三方よしの再利用

海外木箱を再利用して、お客様へのお届けに使う。この取り組みには、色々な方向にメリットが生まれる取り組みでした。

①お客様向け
まず何よりも、お客様の方で処理にかかる手間とコストが軽減されました。また、木箱を資材置場に置いておく際にも、 場所を取らずにコンパクトに保管できるようになったそうです。さらに、「おなじみの木箱」であれば、段重ねになっている木箱ずつ下し、 開梱するために少なくとも2人の作業員を要していました。一方、「海外木箱」の場合は、一度開梱すれば、1人で必要数のポリマーがいしを手に持って移動することができ、 お客様の手間も大きく軽減されました。

②当社向け
当社では、「海外木箱」から「おなじみ木箱」へ移し替えする必要がなくなった点、運搬回数が減少した点において作業の効率化につながりました。 さらにこれまでは、納品の際に新たに木箱を購入する必要があったところ、海外木箱をそのまま使うことができるようになりました。輸入の役目を終えた木箱にも、 お客様への納品の際に再び活躍してもらうことにしたのです。これも大きな効率化でした。

③持続可能な社会に向けて
体積が小さくなったことで、効率的に運搬することができるようになりました。これは物流業界の2024年問題への対策としても有効でした。 また、輸入のための木箱を納品の際にも利用することで、木箱の消費量そのものも少なくなりました。まさに3方よしの取り組みになったのです。

撓みなき創造

当社のスローガンに「撓み(たゆみ)なき創造」という言葉があります。それは勿論、技術改良や新製品の開発といったことも含んだ言葉です。 ですが、こうした取り組みも新たな創造だと私たちは考えています。目の前の課題に向き合い、工夫し、改善する。この積み重ねこそが、日本カタンの掲げる 「撓みなき創造」です。現場に足を運び、お客様の声を聞くことから、日本カタンの撓みなき創造が始まります。今日もまた、会社のどこかで新たな創造が生まれています。